2015年1月29日木曜日

「後、ヨロシク!」を実現するコンシェルジュサービス4選

Product Picks

いやぁ、世界はどんどん便利になっていきますね。

まずパソコンが出来て、次に持ち歩かなくてもよくなって、今度は時計を見ればどんな通知が来ているのか分かる、みたいな世界になりました。

先日facebookが一時的にダウンした時なんか、たまらずtwitterに流れ着いて「ねぇねぇ!今落ちてるよね!」と確認してしまうあたり、もうfacebook無しでは生きられないんだなぁという切なさに駆られます。

世界がどんどん便利になっていく流れの中で、「これ、自分がやらなくてもいいんじゃないか」というタスクが出てきました。検索機能や情報の伝達方法が進化したことによって、自分ではない「誰か」にお仕事を依頼できるようになりました。ちなみにこれがクラウドソーシングの(概念的な意味での)始まりなのではないかと思います。

情報が出揃い、ある程度検索方法が整備されたことによって、「情報を整理して伝える」ことと、「たしかな情報を伝える」ということに価値が生まれました。ニュースのキュレーションアプリや、Rettyのようなサービスの登場がよい例ではないでしょうか。

さて、そんなわけで「リクエストを伝えるとアウトプットが返ってくる」コンシェルジュとしての価値を持ったサービスが今後面白くなるんじゃないかなと思ったので、4つほど気になるサービスをピックアップしてみました。

■コンシェルジュサービス



先日、いつもCAVでやっている朝食会で、とある起業家の方と「贈りもの探しってむずかしいよね」っていう議論があったんですが、最近私も実感することがありました。

私は贈り物を買う必要に迫られるシチュエーションっていうのがまだそんなに多くないわけですが、日頃から贈り・贈られしている方たちにとっては、毎回毎回、何を贈ろうかな…と全部に対して真剣に考えている時間が無いわけです。

だいたい、贈り・贈られしている方たちってけっこうな役職の方であることが多いと思うので、秘書さんに「頼むわー」とお伝えしているのかもしれませんが、秘書さんがいない方にとってはなかなか大変なお仕事なんですよね。

この「Scratch」は、要望を伝えると、適当と思われるアイテムをいくつか提案してくれて、そのまま決済できるサービスです。



単発利用だと1回につき$7、無限利用だと月間$10、年間だとちょっと安くなって$90となっています。みんな大好き「スマート予約」のギフト版、といったところでしょうか。

さて、Scratchが新しく斬新に見える一方で、既存の類似サービスを探していたところ、「クレジットカードのコンシェルジュデスク」にたどり着きました。

・クレジットカードのコンシェルジュデスク



各種クレジットカード会社はプラチナメンバー以上を対象にコンシェルジュデスクを提供しています。プラチナメンバーは勿論審査が必要ですが、各社によって年会費は異なり2万円~15万円ほど(平均5万~10万円/年)となっています。

プラチナメンバーであれば専用のコンシェルジュデスクが対応してくれるので、Scratchのようなギフト検索はもちろん、スマート予約(飲食店)、ホテルの予約代行など、可能な限り対応してくれます。

一見さんお断りの料亭や会員制のレストラン、一般窓口では満室のホテルなども予約が出来たりする等、まったくもって大衆向けではないものの、こちらはこちらで凄い世界が広がっております。

プレミアム戦略なので非常に柔軟に対応してくれるようですが、敷居が高いため、マスユーザー向けではありません。

■クラウド秘書サービス


みなさんもご承知の通り、「コンシェルジュ」と「秘書」っていうのは少し意味合いが違っています。ちょっとWikipedia先生の解説を見てみましょう。

「コンシェルジュ」
コンシエルジュ(仏: concierge)とはサービス業の一つ。「コンシェルジュ」とも言う。フランス語では、コンシェルジュは本来「集合住宅(アパルトマン)の管理人」という程度の意しか持たない単語である。そこから解釈を広げ、ホテルの宿泊客のあらゆる要望、案内に対応する「総合世話係」というような職務を担う人の職名として使われている。

もともとはフランス語なんですね。

「秘書」
秘書(ひしょ)とは、組織あるいは上司の書類面における仕事を請け負う職務、職業。またそれを行う人。職務は幅広いが、共通するのは、重要書類を扱う仕事であるということである。その他にも上司の身の回りの世話、メールや電話の応対、来客の接遇、スケジュール管理、書類・原稿作成など、「総務の専門家」として機能する。 日本では、アシスタントと英訳されるのが適当である場合が多い。 

なるほど。では、クラウド秘書サービスを見てみましょう。




シアトルに本社がありながら、衝撃的なネーミングで世間を賑わせた本サービス。日、中、韓、米など各国に在籍するオンライン秘書に依頼することができるパーソナルアシスタント機能を提供してくれるサービスです。

「週4時間だけ働く」という本にも、時差を利用したリモートワークによって生産性を高めるというエピソードが書かれていましたが、本サービスも24時間365日対応可能なデスクであることを特徴の一つに置いています。



秘書にリクエストできる回数によって料金体系が異なりますが、月3件の依頼が可能な「バイトプラン」は2,490円/月、月6件で4,980円、月15件で8,980円~といった水準になっています。

もう少し踏み込んだレポート機能やオンライン電話などを組み合わせた「ビジネス秘書」サービスも展開しており、こちらは月15件のリクエスト+レポーティング+オンライン電話機能のセットで14,995円/月~。

いやぁ、これって、世の中の働き方を変えるサービスだと思うんです。いくつか使用レポートなども上がっていて、レポートを拝見する限りとても便利に活用されている方もいるようですよ。面白い時代になってきました。




昨年11月にリクルート社から出資を受けているZirtualはエグゼクティブ向けのバーチャル秘書サービスを提供しています。

お時間が許す方は是非サイト内のデモムービー(英語)を見ていただきたいのですが、モデルになっている社長の方が「私、忙しいの。」とストレートに断言されていて、あまりの欧米っぽさに緑茶を吹きそうになりました。



16時間の稼働が可能な$399/月から3種類のプランが用意されており、32時間で$749/月、55時間で$1,199/月となっています。Kaori-sanと比較するとエグゼクティブ向けなこともあってプレミアム感を醸しだしています。

要はCAVのチーフ・エグゼクティブ・オフィサー”浪速のベンチャーキャピタリスト”田島向けのサービスですね。




一方、破壊的価格で真逆を突いているのが「Jarvis」。是非サイトも見ていただきたいのですが、極限まで凝縮されたサイトからは、サービスに込められた想いであろう「半端ない潔さ」が感じられます。



SMSベースのため他サービスと比べると機能は限定されていますが、価格は$99/月~。驚くべきことに最安値のプランから依頼回数は無制限かつ24時間対応で、プランが$199/月、$599/月となっており、グレードが上がる程レスポンス速度が8時間-4時間-1時間以内と早まります。



一体どんなコスト構造になっているのか非常に気になるところですが、一応US在住の人間が対応してくれているようです。

■まとめ


情報伝達速度が上がったことによって、「自分以外の誰かが出来る仕事」はパッケージ化することによって、国境を超えて簡単に依頼できるようになりました。

時差をうまく利用すれば自分が寝ている間にお仕事をお願いしておき、起きるまでに完了することが出来たりもします。

依頼する側は当然ながら費用を負担しなくてはいけないので、円の価値と、費用を”創る”能力の価値が今後高まりそうですね。

では、今日はこの辺で。


2015年1月22日木曜日

【現役女子高校生インタビュー】JKに普段使っているスマホアプリを聞いてみた

Interview Picks


本日は、女子高校生のスマホの中身を大解剖という事で、現役女子高校生4人に突撃インタビューに行って参りました。

本日は「デジタルネイティブ世代の現役女子高校生に人気アプリはなにか?」取り上げたいと思います。


本日取り上げるのは、

カメラ・写真アプリ
ファッション・ビューティー

以上の2つです。

では早速見ていきましょう。

カメラ・写真アプリ


まずはカメラアプリを見て参りましょう。まず大人気だったのは、、、

decopuchi
撮った写真をかわいく加工編集できるアプリ。





camera360
大人気のカメラアプリ。簡単にかわいくセルフィーを撮って加工しシェアできます。














beauty plus
簡単にプリクラ並みに盛れてしまうカメラアプリ。これで撮った写真をTwitterにアップするのだとか。ちなみに今回筆者がインタビューした高校生は、盛り盛りすぎて途中で辞めてしまったとの事です。


















上記アプリ以外にも、合い言葉で写真を共有できるアプリ「写真袋」やスマホが鏡代わりになる鏡アプリ、撮った写真をモザイクでぼかせる「ぼかっしゅ」なども使ってる人はいるとのことでした。


ぼかっしゅ」はTwitterで自分の顔写真をアップするのが嫌な人がモザイクをかけてアップするとの事です。


また楽しさを追求したアプリですと、instagramで流行っている「Framy」 や「ElfYourself」も上げられました。


カメラアプリの女子高生に見られる傾向としては、

・「可愛いくなる事」(盛り盛りアプリやセルフィー画像の加工など)
・Twitterもしくはインスタグラムに簡単にシェアできる事 が必須だとか。

彼女達は基本、撮って加工した画像をTwitterインスタグラムにアップ

→それを見た友達が発見して会話

という流れでアプリを使っているようです。

あくまでSNSを通してシェアする事を前提に撮られているのがポイントだと感じました。

興味深かったのは、インタビューさせて頂いた1人の女子高生はTwitterのアカウントを7個も持って使い分けているのだとか。裏アカウントは特定の友達だけと会話するだけのために使用しているとのこと。

ファッション・ビューティー

続いてファッション・ビューティー系に参ります。

人気だったのは以下の3つのサービス。

もっとも人気だったアプリが、こちら。ファッションアイテムを自由に組み合わせて、コーディネートを投稿できるサービスで、かわいい服を探す時によく使っているそうです。


女性向けの美容・ダイエット方法をメインに扱ったメディアがこちら「モテ子BEAUTY」。
かなりの頻度で使っているのだとか。アプリはAndoroid・iOSどちらにも対応。



こちらは、VIVIの公式スマホアプリで、コーディネート共有アプリです。
女子高生が服を買う際に参考にしたり、普段電車に乗っていて暇な時に、かわいい服を見つけるのに使うそうです。


さていかがだったでしょうか?次回以降は女子大生のアプリ事情も探っていければと思います。

最後にこちら、加工されまくりの女子高生のiPhoneのスクリーンショットで締めたいと思います。

それでは。






2015年1月16日金曜日

改めて飲食プラットフォームサービスを俯瞰してみた

Product Picks

サイバーエージェント・ベンチャーズ(CAV)の三田です。

さて、今日は飲食プラットフォームについて。

今年は飲食のプラットフォームも色々と新しいイノベーションが出てくるんじゃないかなぁと思っております。

・はじめに、これまでの流れ



飲食店探しは「ぐるなび」誕生以後、劇的に便利になりました。
これまでWEB上に情報を上げていなかったor個別で上げていた店舗の情報をデータベース化することで、ぐるなび上から店舗を探すことが出来るようになりました。


「食べログ」は店舗の反対側、飲食店を探すユーザーに特化して、好みの条件・エリア・店名などから検索することが出来る機能に特化することでユーザーからの支持を集めました。



ぐるなび・食べログが巨大な飲食店データベースとなった後、「Retty」は”グルメ通のあの人が行っているレストラン”といった情報を提供し、ソーシャルを掛け合わせることによって、既存飲食ポータルサイトの再定義を試みています。

・決済を取るか、発見予約機能を尖らすか


飲食店のデータが揃い、信頼性が高まったところで、次に出てきたのが「予約機能」に特化したサービスです。

2013年3月、食べログとぐるなびは空席照会機能を同時にリリースしました。

お店を発見した次のアクションは遅かれ早かれ「お店に行く」ことになりますので、空席かどうかを知り、席を予約する、という行動までのサポートは極めて自然な流れです。

2014年7月には「ポケットコンシェルジュ」から、予め登録しておいたクレジットカードを使った決済までを一気に行うことができる、新しいレストラン発見・予約までを提供するサービスが発表されました。



USでは既に「Opentable」が大きく成功を収めているこの予約→決済領域ですが、2014年から2015年にかけてはアジアでも徐々に成長するスタートアップが目立ってきた印象です。
台湾の「EZTABLE」も2014年のStartup Asia Pitch Battleで優勝していましたね。

個人的に日本のサービスで今最も注目しているのが、「スマート予約」です。こちらは決済というよりも発見・予約に特化したサービスで、自分の希望ジャンル・日程・時間帯を指定すると、予約が可能なお店を3つ提案してくれます。



この「予約が可能な」お店を探してくれる機能が、一見シンプルでありながら非常に便利です。

これまでの予約プロセスだと、

①お店を探す(複数リストアップする) →この時点で疲れる
②優先順位上のお店から電話していく
└空いてたら予約する→空いてるけど個室が無くて断念、とかよくある
└空いてない    →全部空いてなかったら①に戻る

という大変骨が折れる作業が必要だったわけですが、スマート予約ではなんと

・お店のキュレーション(おすすめのお店しかない)
・レコメンド(希望を聞いた上で提案してくれる)
・予約

ここまでを超スピーディにやってくれます。

予約依頼からレスポンス(候補店舗提案)までが約10分、1店1店のレコメンドにも

「A店は個室が取れそうです」
「B店は個室なんですが時間制です」
「C店は個室じゃないんですがゆったりめのテーブルが取れそうです」

といったホスピタリティ溢れる一言が添えられており、最高のUXでした。

弊社のメンバーもハマっている様子。


・今年は「発見を助ける」サービスが来るんじゃないだろうか


ぐるなび→食べログ→Rettyときて、店舗の情報は充実してきた感がありまして、ひとたびキーワード検索をすれば即座にいろんなサイトから結果が返ってきますし、食レポブログなども沢山出てくるような便利な世の中になりました。

そんなわけで、個人的な予想としては「検索方法」にイノベーションが起きるんじゃないかと思っています。

例えばこの、「IO」のようなサービスです。





お時間ある方はこちらのリンク(本家TCの紹介記事&デモムービー)を参照いただければと思いますが、IOを一言で説明すると「チャットで希望を伝えるとクイックにお店を提案してくれるアプリ」です。

クレジットカードのコンシェルジュデスクに近いUXなのですが、より簡易に、クイックに相談して自分が行きたいレストランを見つけることができます。

たまに感じるのですが、飲食店の検索はメニュー軸で探すのが意外と難しかったりします。

例えば、「今日は麻婆豆腐が食べたいなぁ」と思っても、「中華」x「エリア」とかで探さないといけません。

その店のおすすめ料理が麻婆豆腐かどうかは、もう一歩二歩踏み込んでみないと分からないわけです。

これがもし、「新宿付近で麻婆豆腐ランチのおすすめなお店」が探したい時とか。「アサイーボウルがあるこの辺のカフェ」とかでもいいですね。

テキストをチャットで送って、一瞬でお店の提案が返ってきたら便利じゃないでしょうか?

データベースが増えれば増えるほど、相乗効果で検索のニーズは増すんじゃないかと思っております。

このサービスは「該当するお店が100件あります」というよりも「あなたにピッタリのお店はココです!」というドンズバな1店舗を出してほしいユーザー向きですが、このニーズは結構あるんじゃないかなぁと思った次第です。

では、今日はこの辺で。