2015年7月7日火曜日

「人のぬくもり」で購買のラストワンマイルを埋めるサービス


「髪の毛が後退しているのではない。私が前進しているのである。」という名言でおなじみのソフトバンク孫社長が今年6月に発表した事業戦略では、情報革命というスライドの中で、モバイルインターネットの次に来ると考えている、3つの注力分野を「IoT」「AI」「スマートロボット」だと書かれていました。

今日は、そういったテクノロジーによって人的リソースの削減、簡便化、といった概念に対して真逆のコンセプトを持ったサービスを2つご紹介します。

最新ガジェットの遊び方をプロの先生が教えてくれる「Enjoy」


昨今、DJI Phantom3(ドローン)やGoPro(アクションカメラ)のような、テクノロジーのエッセンスを注入されたガジェットの技術革新は物凄いわけです。

一昔前までベーゴマを削っていた時代から考えると物凄い変化ですよ。BluetoothでiPhoneと同期して、スマホアプリで操作したりするわけですよ。

撮影した映像だってiMovieやFinal Cutで編集してDVDにしたりと、世の中のお父さんにテクノロジースキルが求められる時代になってきました。

そんな時代だからこそ発生した、「遊び方がよくワカラン問題」。けっこうなお値段で買っても、宝の持ち腐れになってしまう悲劇が全世界的に起きているわけです。

そこで出てきたのがこのEnjoyというサービス。2014年10月にAndreessen、KPCB、Oak Investment Partnersの3社から総額30Mを調達しています。

Enjoyはガジェットの購入時に「Experts」というガジェットの先生を1時間$99で派遣してくれます。

Expertsを売りにしているので、一人づつ自己紹介Youtube動画も用意してあります。あったかいですね~。ユニフォームも統一感があってすばらしい。


派遣料金のプライシングが高い・低いは人それぞれ感覚が異なるかとは思いますが、心が大変あたたまるサービス。

大のクルマ好きが相談に乗ってくれる中古車売買サービス「Shift」


ShiftもEnjoyに少し似ているサービスで、「Car Enthusiasts(直訳:大のクルマ好き、愛好家)」と呼ばれるコンシェルジュのような方が購買の相談に乗ってくれる中古車売買サービスです。

試乗してみたいと思ったら、Car Enthusiastsが今居る場所まで迎えに来てくれ、手取り足取り教えてくれるサービスになっています。

Shiftが解決する課題は、中間マージンの部分と、これまでの試乗体験、この2つかと思います。これまで、中古車の試乗はバイヤーを隣に乗せて走るので、帰った後めっちゃセールスされるんじゃないだろうか…という不安感でいっぱいでした。

そんなユーザーの不安を払拭したいと思っている様子がサービスの説明からも伝わってきます。

Enjoy同様、コンシェルジュ的な立ち位置の方々は顔や素性が細かく(そして素敵だと感じられるように)表現されています。

2014年12月にシリーズAをクローズ。DFJ、Highland、SV Angelなどから総額23.8Mを調達しています。

結論:価格が高いもので、販売側がユーザー目線でない領域はありそう


情報の非対称性などによって、売り手が立場上強くなってしまったりするような領域で、ユーザーさんの購買体験が満足できていない領域では良いサービスになりそうですね。もちろん、単価が高い商材が前提。

コンシェルジュ的な立ち位置の人をいかにして確保(クラウドソーシングなのか社内で持つか)し、かつ経済的にワークする仕組みを考えたいものです。