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■Apple Pay を皮切りに、モバイル決済サービスApple Pay を皮切りに、モバイル決済サービス分野が盛り上がってきました。
満を持して一昨日、LINEからLINE Payの開始が発表されました。
今後決済サービスの行方はどうなっていくのでしょうか?
大きく、2つの流れがあるのではないかと考えました。
(1)メッセンジャーサービスを軸とした展開
(2)独自のアプリを軸とした展開
そこで今回は
モバイル個人間送金サービスを2009年より運営しているVenmo と
一昨日発表されたLINE Payを比較してみます。
■Venmo
まずは2009年に設立され2年間のテスト期間を経てリリースされたVenmo を見てみます。
Venmo はアメリカの大学生を中心に人気のサービスで一番の利用シーンとしては
友達と飲みに行ったときの割り勘、パーティを企画したときに誰かに立て替えてもらった分を支払う時などです。
Venmo の魅力は、何と言っても送金・受取手数料が無料であることです。
Venmo を使って決済をする際に登録可能なのは、銀行口座、デビットカード、クレジットカードの3種類で銀行口座、デビットカードを用いての送金は手数料無料で、クレジットカードを利用した場合のみ3%の手数料が発生する。
割り勘など小さな金額の決済の際に、手数料が無料になるのはユーザーにとって非常に魅力的です。
またVenmoは支払の翌営業日には振り込まれるので、お金を受け取った側にとっても非常に便利です。通常Paypalは数日かかります。
2つ目の魅力はソーシャル機能。
友人が誰に何に対して支払ったかがタイムラインでやりとりが確認することができる。
このようなUIも非常に若者には慣れ親しんだ点であるのもVenmo が人気である理由の1つであると感じます。
Venmo はLINE Pay や Wechat のような巨大なプラットフォームからではなく、着実にユーザー数を獲得してきた。もともと大きなプラットフォームを持っていると、ある一定数のユーザーが見込めるが、Venmoのようにプラットフォームがない場合、手数料無料で徹底的にユーザーを集める事にフォーカスした事が考えられます。
ちなみに2014年度のQ1の決済総額は遂にスターバックスのアプリの決済総額に並びました。
■LINE Pay
Venmo と比べて魅力的なのは、既にLINEという大きなプラットフォームを持っており、初期のユーザーが集めやすくその結果、友人同士での送金も、アプリを持っていないからできないというようなシーンが起きにくく、ユーザー利便性が高いことだと思います。
LINE は送金手数料は無料ですが出金手数料216円かかります。
Venmoと比較してみると、
クレジットカード登録や銀行口座振替は同様だが、コンビニでチャージが可能なのはコンビニが発達している日本らしいと言えます。
日本での利用シーンは米国同様大学生の飲み会の割り勘などが考えられます。立て替えていたお金を友達に請求するのを渋っていた人もLINE Payでより心理的な障壁が下がると思います。
■モバイル送金サービスの今後
現在、日本の個人間の送金においては、割り勘などであれば現金支払い、遠方の人への送金は銀行振り込みやネットバンキングなど、ある程度の快適さで実現されており、強烈なマーケットペインがあるわけではありません。
そういう状況でモバイル送金サービスが普及していくためには次の条件を満たすのが必須だと感じました。
・大量のユーザーを抱えていること(その結果、どんな知り合いにも問題なく送金できるという状況が実現されること)
・セキュリティがしっかりされていること
・使いやすいこと(面倒な作業なくワンタップで送金できる)
・安いこと
現状日本において、LINEは最大のユーザー数を持つソーシャルプラットフォームと言えるので非常に大きな期待を持っています。懸念点があるとすれば、LINEの乗っ取りなどでユーザーにセキュリティの面で心理的な不安があるかもしれないこと、出金手数料が216円かかることでLINE内で買い物したくない人にとっては不便という事でしょうか。
また今後facebook もこの分野に参入してくる事が予想されており、米国では大きなプラットフォームであるfacebookと,Venmo やPaypalの戦い、
日本ではLINE Pay とfacebookの戦いがどうなっていくのか楽しみです。
今日はこの辺で。
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