2015年1月16日金曜日

改めて飲食プラットフォームサービスを俯瞰してみた

Product Picks

サイバーエージェント・ベンチャーズ(CAV)の三田です。

さて、今日は飲食プラットフォームについて。

今年は飲食のプラットフォームも色々と新しいイノベーションが出てくるんじゃないかなぁと思っております。

・はじめに、これまでの流れ



飲食店探しは「ぐるなび」誕生以後、劇的に便利になりました。
これまでWEB上に情報を上げていなかったor個別で上げていた店舗の情報をデータベース化することで、ぐるなび上から店舗を探すことが出来るようになりました。


「食べログ」は店舗の反対側、飲食店を探すユーザーに特化して、好みの条件・エリア・店名などから検索することが出来る機能に特化することでユーザーからの支持を集めました。



ぐるなび・食べログが巨大な飲食店データベースとなった後、「Retty」は”グルメ通のあの人が行っているレストラン”といった情報を提供し、ソーシャルを掛け合わせることによって、既存飲食ポータルサイトの再定義を試みています。

・決済を取るか、発見予約機能を尖らすか


飲食店のデータが揃い、信頼性が高まったところで、次に出てきたのが「予約機能」に特化したサービスです。

2013年3月、食べログとぐるなびは空席照会機能を同時にリリースしました。

お店を発見した次のアクションは遅かれ早かれ「お店に行く」ことになりますので、空席かどうかを知り、席を予約する、という行動までのサポートは極めて自然な流れです。

2014年7月には「ポケットコンシェルジュ」から、予め登録しておいたクレジットカードを使った決済までを一気に行うことができる、新しいレストラン発見・予約までを提供するサービスが発表されました。



USでは既に「Opentable」が大きく成功を収めているこの予約→決済領域ですが、2014年から2015年にかけてはアジアでも徐々に成長するスタートアップが目立ってきた印象です。
台湾の「EZTABLE」も2014年のStartup Asia Pitch Battleで優勝していましたね。

個人的に日本のサービスで今最も注目しているのが、「スマート予約」です。こちらは決済というよりも発見・予約に特化したサービスで、自分の希望ジャンル・日程・時間帯を指定すると、予約が可能なお店を3つ提案してくれます。



この「予約が可能な」お店を探してくれる機能が、一見シンプルでありながら非常に便利です。

これまでの予約プロセスだと、

①お店を探す(複数リストアップする) →この時点で疲れる
②優先順位上のお店から電話していく
└空いてたら予約する→空いてるけど個室が無くて断念、とかよくある
└空いてない    →全部空いてなかったら①に戻る

という大変骨が折れる作業が必要だったわけですが、スマート予約ではなんと

・お店のキュレーション(おすすめのお店しかない)
・レコメンド(希望を聞いた上で提案してくれる)
・予約

ここまでを超スピーディにやってくれます。

予約依頼からレスポンス(候補店舗提案)までが約10分、1店1店のレコメンドにも

「A店は個室が取れそうです」
「B店は個室なんですが時間制です」
「C店は個室じゃないんですがゆったりめのテーブルが取れそうです」

といったホスピタリティ溢れる一言が添えられており、最高のUXでした。

弊社のメンバーもハマっている様子。


・今年は「発見を助ける」サービスが来るんじゃないだろうか


ぐるなび→食べログ→Rettyときて、店舗の情報は充実してきた感がありまして、ひとたびキーワード検索をすれば即座にいろんなサイトから結果が返ってきますし、食レポブログなども沢山出てくるような便利な世の中になりました。

そんなわけで、個人的な予想としては「検索方法」にイノベーションが起きるんじゃないかと思っています。

例えばこの、「IO」のようなサービスです。





お時間ある方はこちらのリンク(本家TCの紹介記事&デモムービー)を参照いただければと思いますが、IOを一言で説明すると「チャットで希望を伝えるとクイックにお店を提案してくれるアプリ」です。

クレジットカードのコンシェルジュデスクに近いUXなのですが、より簡易に、クイックに相談して自分が行きたいレストランを見つけることができます。

たまに感じるのですが、飲食店の検索はメニュー軸で探すのが意外と難しかったりします。

例えば、「今日は麻婆豆腐が食べたいなぁ」と思っても、「中華」x「エリア」とかで探さないといけません。

その店のおすすめ料理が麻婆豆腐かどうかは、もう一歩二歩踏み込んでみないと分からないわけです。

これがもし、「新宿付近で麻婆豆腐ランチのおすすめなお店」が探したい時とか。「アサイーボウルがあるこの辺のカフェ」とかでもいいですね。

テキストをチャットで送って、一瞬でお店の提案が返ってきたら便利じゃないでしょうか?

データベースが増えれば増えるほど、相乗効果で検索のニーズは増すんじゃないかと思っております。

このサービスは「該当するお店が100件あります」というよりも「あなたにピッタリのお店はココです!」というドンズバな1店舗を出してほしいユーザー向きですが、このニーズは結構あるんじゃないかなぁと思った次第です。

では、今日はこの辺で。


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